こんにちは、昭和の漫画について深く掘り下げて考察するライターです。今回は、昭和の特撮ヒーローシリーズの象徴とも言える「仮面ライダー」について、特にその漫画版の悲劇的な結末について考えてみたいと思います。
「仮面ライダー」漫画版とは
1971年、週刊ぼくらマガジンで始まった「仮面ライダー」は、悪の組織によって改造されたヒーローの活躍を描いたアクション活劇でした。その後もテレビシリーズとして放映が続き、子供たちに愛され続けてきたこの特撮ヒーローですが、テレビ版とは対照的に、漫画版「仮面ライダー」はある意味、”リアル”な結末を迎えることになります。
マンガ版の「仮面ライダー」は、悲劇的な結末
マンガ版「仮面ライダー」のストーリーは、敵組織・ショッカーのアジトに突入し、その野望を阻止した主人公ですが、その直後にショッカーによって作った12人のニセライダーに囲まれ、銃撃を受けて致命傷を負います。その後、主人公の遺体は研究所に運ばれ、脳だけが生き残ったことが判明します。主人公の肉体は失われ、脳だけが生き延びるという、あまりにも悲劇的な結末を迎えました。
「仮面ライダー」マンガ版が伝えたかったことは
この悲劇的な結末は、一見するとただのショッキングなエンディングに見えるかもしれません。しかし、それは昭和の時代背景、そして「仮面ライダー」が子供たちに伝えようとしたメッセージを理解する鍵となります。
それは”戦いのリアリティ”と”勇気と犠牲”です。時代は戦後から高度経済成長へと移り変わり、平和と繁栄が訪れましたが、一方でそれは犠牲と戦いの上に築かれたものだという事実を、子供たちに伝える試みでもありました。「仮面ライダー」の主人公が、身体を失いつつも精神を持続させる様は、戦後の日本人が経験した困難に立ち向かう様を象徴していました。
昭和時代の漫画は、現代の読者から見れば暗い面を持つことが多いですが、それは反面、リアリティと深いメッセージを伝える手段ともなっています。今回取り上げた「仮面ライダー」マンガ版の最終回も、その一例でしょう。
この物語は、ただエンターテインメントとして消費されるだけでなく、現実世界の苦難に立ち向かう勇気を我々に与え、何かを犠牲にしてまで達成する価値がある目標を示しています。そして最終回の悲劇的な展開は、そのメッセージを強く象徴しています。
昭和の漫画は、その時代の独特な風味を持ちながらも、時間を超えて我々に多くの教訓を伝え続けています。それは、「仮面ライダー」が描いた勇気と犠牲、そして希望に満ちた物語からも感じ取ることができます。
